第10部分 (第3/5頁)
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り株をとりまいて、四方からじりじりとせまっていくのは警部や刑事や金田一耕助。とうとう一同は、ほとんど同時に、切り株のそばへたどりついたが、そのとたん、キツネにつままれたように顔を見合わせた。
ああ、なんということだろう。銀仮面のすがたはどこにも見えなくなっていたのだった。
窓にうつる影
「そんなはずはない。そんなばかなことはない。あいつだって血と肉でできた人間なんです。煙のように消えるなんて、そんなばかな……!」
一同があっけにとられてポカンとしているとき、そう叫んだのは金田一耕助である。怒りにみちた聲だった。
「どこかにかくれているんです。さがしましょう。もっとよくさがすんです」
しかし、いったいどこをさがせばいいのか。五人の人間が五人とも銀仮面がこの切り株の陰へはいるところを見たのである。しかもだれひとり、そこから出るところを見た者はいない。銀仮面はこの切り株のなかへ吸いこまれたのだろうか。
そうだ。銀仮面は切り株のなかへ吸いこまれたのだ。それを発見したのは文彥だった。
「アッ、先生、この切り株はうつろですよ。そして、こんなところに血が……!」
「な、なんだって!」
一同がびっくりしてふりかえると、文彥は懐中電燈で、切り株の幹を照らしていた。
その切り株というのは、しめ縄が張ってあり、一面にツタの葉でおおわれているのだが、|縦《たて》にひとすじさけ目があって、そのさけ目にべっとりと血がついている。まるで、そこからけが人が、なかへ吸いこまれていったように……。
金田一耕助がびっくりして、切り株をたたいてみると、はたしてポンポンとつづみのような音がした。等々力警部はツタの葉をかきわけて、切り株のはだをなでていたが、
「ああ、ここにちょうつがい[#「ちょうつがい」に傍點]がある!」
なるほど、縦にならんだちょうつがい[#「ちょうつがい」に傍點]をたくみにツタの葉でかくしてあるのだ。
「わかった、わかった、警部さん、この切り株はうつろになっていて、木の皮がドアになっているのです。どこかにとって[#「とって」に傍點]は……?」
そのとって[#「とって」に傍點]もすぐに見つかった。切り株の幹の、地上一メ��去毪肖�轆韋趣長恧恕⒋螭�勝長證�ⅳ盲郡�ⅳ餞欷頦摔�盲屏Δ蓼�護摔窯盲絢毪取⒛兢紋い�喪ⅳ韋瑜Δ衰靴氓�轆窯槨い啤ⅳ勝��楗單盲取⒗浹郡わLが吹きあげてきた。
のぞいて見ると、なかはうつろになっているばかりではなく、地の底にむかって、まっ暗な縦穴がついているのだ。一同はおもわず顔を見合わせた。
「わかりました、警部さん。こういう秘密の抜け穴があるからこそ、あいつは今夜の會見を、井の頭と指定してきたんです。さあ、ひとつなかへもぐってみましょう」
金田一耕助は、はかまのすそをたくしあげると、ピストル片手に、いちばんにその穴へもぐりこんだ。それにつづいて等々力警部、文彥、それからふたりの刑事がつぎつぎと、縦穴へもぐりこむ。
その穴はやっと人ひとり、もぐれるほどの広さしかなかったが、それでもちゃんと、鉄のはしごがついていた。その鉄ばしごをおりていくと、ふかさは思ったほどもなく、間もなく橫穴にぶつかった。
その橫穴をはいっていきながら、文彥は、成城の大野老人の家にも、これ