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分かった」と返事をした。それが無性に苛立ち、健人は一人、家族の輪の中に入れていないのではないのかと、時折、不安になるのだった。

「……遅刻する」

健人は腕時計を見つめて、時刻を確認する。まだ遅刻するような時間帯ではないが、今朝のことを思い出すと、歩を待てば健人まで遅刻するのは目に見えていた。バタバタとリビングに降りてきた歩に、先に行くと、小さい聲で告げて、健人はそそくさと出てきたのだった。

「ごめんごめん。起こしてくれればよかったのに」

「寢てるって知らなかったから」

笑いながら話しかけてくる歩に、健人は素気なく答えた。1年経った今でも、歩のことが慣れない。元々、人見知りだったと言うのもあるのだろうが、兄弟が居なかったせいで、兄弟と言うのはどう言うものなのか分からない。それに、歩は母と父が付きあった當初から知っていたと言う。結婚した後から知らされた健人と比べると、扱いの差は歴然としていて、それが餘計に壁を作らせていたのだった。

「健人って俺の部屋に絶対入らないよね。入ってくればいいのに」

「人の部屋に勝手に入るのはマナ��‘反だろ。親しき仲にも禮儀ありって言うぐらいだし」

「……まぁ、そうだね」

少しだけ寂しそうな聲が聞こえたけれど、健人はそれを無視して歩き始めた。ただでさえ、少し歩を待っていたせいで學校へ行くのが遅くなってしまったのだ。こんなところで立ち話をしていれば、もっと遅くなってしまうだろう。健人が歩き始めると、その後ろを歩が追うように歩き始めた。

「今日の一時間目、何だっけ?」

始まったばかりの新學期。時間割を覚え切れていない歩は、前を歩く健人に話睿�蚣妞亭茖い亭搿�

「……物理」

「物理かぁ。物理苦手なんだよなぁ。化學は得意なんだけどなぁ」

何が得意で何を苦手としているのか全く興味の無い健人は、反応せずにすたすたと前を歩く。去年の今頃は、まだ愛想と言うより、再婚相手の息子と仲良くしなければ母がショックを受けるだろうと思って、多少、會話などをしたけれど、今はそんな気遣いは家族の前だけでいいと思って構ってこないように冷たく接している。それにも関わらず、歩は健人に距離を置くことは無かった。

「それにしても、健人と同じクラスになれるとは思わなかった。ほら、血が繋がって無くても兄弟なわけだし。てっきりクラスも分けられるのかと思ってたけど」

「物理苦手なくせに理數系のコ��慣xんだからだろ? C組は理數系のコ��工坤貳�

「ま、そうなんだけどね���

1年の時はコ��工勝砷v係なく、教師たちがランダムで振り分けたクラスだったので、歩とはクラスが離れていた。しかし、2年になってから、大學に進學する學科別にコ��工蜃鰥輟ⅳ餞欷蚧�衰�楗工蚓幊嗓筏俊¥郡蓼郡蕖⑼�弗暢‘スを選んでしまった健人と歩は、幸か不幸か、同じクラスになったのだった。

「クラスには慣れた?」

「慣れたも何も、同じクラスの奴とかいるし」

「そっかそっか。健人ってさ、あまり人と觸れあわないって言うかさ、素気ないから友達出來なさそうに見える」

楽しそうな笑い聲とは裡腹に、胸に刺さるようなことを言われて、健人は足を止めた。振り返って歩の顔を見ると、歩はへらへらと笑って健人を見ている。その

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