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は壁の時計を見上げる。

「あれ、もうこんな時間」

「終わろっか。これくらいで大丈夫?」

「ああ、サンキュな」

「うん、犬飼くんは呑み込みが早くて良かった」

深鷺にギタ��蚍丹筏勝�欏⑷�暏銜⑿Δ唷¥�ⅳ工挨蘇驂啢摔勝盲俊�

「またライブやるの?」

「う��蟆⒔瘠韋趣長恧銜炊ā�

「そっか。実はまだ一回も聴いたことなくて。文化祭はうちも舞臺やるから忙しいし」

犬飼は両手をあげて伸びをした。

「今度ライブやるとき、俺にも教えて。都合良ければ行きたい」

「うん、ありがと。演劇部の公演も観たいな」

深鷺がそう言うと、犬飼はちょっとばつが悪そうな顔をした。

「……次のは無理、ごめん。市內の演劇部が集まってやる舞臺で、平日なんだ」

「そっか、殘念」

二人が教室に戻るとちょうど授業の開始を告げる本鈴が鳴り響いた。犬飼とのギタ��毩暏蠘Sしかったが、またも機會を逃したと深鷺はがっかりする。しかしまだ一日は終わっていない。次こそ、と心に誓いながら教科書を開いて頭を切り換えるのであった。

バレンタインの賭け(二)

チャイムが鳴り五時間目の授業が終わった。深鷺は席を立ちすたすたと貴彥の席へと歩いていった。今回は何も邪魔が入らず少し拍子抜けする。しかし彼の目前に立つと否が応でも深鷺の心臓が高鳴った。

貴彥が彼女に気づいて顔を上げる。

「なに?」

にっこりと微笑むその顔を見ると、深鷺の視界は一気に鮮明になる。世界に自分と彼だけだったらいい、そんな夢想をしそうになる自分に喝を入れた。

「あ、あ、あのね」

「うん」

ここでポケットから箱を出して、そう思うものの手が緊張で動かなかった。

「その……今度、CD持ってきていい?」

「また何か貸してくれるの?」

なに言い出すのと自分に突っ込みを入れながら、深鷺はそのまま話を続けた。

「うん、ジャズなんだけどどうかな」

「じゃ、お願い。深鷺の貸してくれるものはハズレなしだから」

「それじゃ、明日ね」

深鷺は軽く手を振って貴彥の席から離れた。そして自分の席に著く前に軽くはあっとため息をつく。ふと後ろを見やると、教室の隅にいる広夢の姿が目に入った。彼は片手で腹を押さえ笑いを噛み殺している。悔しくてきっと広夢を睨みつけ椅子に座った。

そしてもうすぐホ��啷氅‘ムが終わろうとしている。深鷺にとってこの日最後のチャンスだ。これを逃すと広夢との賭けに負けてしまう。

終禮を済ませると生徒達はがやがやとざわめきながら教室から出始める。掃除當番の生徒は用具入れに集まってゆく。深鷺が後ろを向くと、貴彥と広夢が廊下へ出て行こうとしていた。深鷺はあわてて後を追いかけるが、他の生徒に進路を阻まれてなかなか進めない。彼女はさらに焦り出す。そしてお腹の底から聲を絞り出して叫んだ。

「蜂屋くん、待って!」

深鷺の聲は教室の隅々まで響いた。生徒達は一瞬しいんとなり、何事かと彼女に視線が集まる。貴彥も立ち止まり深鷺を見つめた。

しかしそんな周りの様子に気づくこともなく、深鷺はつかつか歩いて貴

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